複数社が関わるイベントで、料理への期待をどう汲み取るか

ケータリングには、主催するお客様から直接いただくご依頼もあれば、企画や運営を担う企業様を通じていただくご依頼もあります。

複数社が関わる会では、クライアント様が主催者様や会場のご希望を取りまとめることになります。関係するすべての方と直接お話しできるとは限らないからこそ、私たちは、伺ったご要望の背景を理解することを大切にしています。

下見から見えてきた、温かい料理の可能性

9月、あるブランドの大切なお客様をお招きする会で、クライアント様を通じてお料理をお任せいただきました。最初のご希望は、気軽につまめるピンチョス形式でした。

私たちは独自のヒアリングシートでご希望や条件を確認し、可能な限り下見にも伺います。今回も会場へ足を運び、設備やスペースを確認するとともに、会場の方のお話を伺いました。

そこで考えたのが、ピンチョスの気軽さを生かしながら、温かい料理を加えることでした。

料理人として多くの会場を手掛けてきた私の経験と、長年お客様への対応に携わってきたコンシェルジュの視点を重ね、内容を検討。制約のある会場でも、提供方法を工夫すれば、無理なくお出しできると判断しました。

ご提案に必要な確認を取りながら、メニューを調整しました。改めてご相談すべきことと、お任せいただいた範囲でこちらが判断できることを見極めるのも、経験が生きるところです。

当日は、お客様から「温かいものが食べられるのって、やっぱりいいよね!」「すごく美味しい!」というお声があり、クライアント様にもお褒めの言葉が寄せられていました。

ご要望の背景を汲み取り、具体的に応える

複数社が関わるイベントでは、途中で新たなご希望が出たり、それを料理の担当者にどう伝えればよいか迷ったりすることもあると思います。

「こんな要望が出てきたのですが、どうしたらよいでしょうか」

こうしたご相談には、条件を確認したうえで、「それであれば、この方法で対応しましょう」と、判断の理由を添えて具体案をお伝えします。難しい場合はその旨をお伝えし、代わりにできることがあるかを検討します。

料理についてのご要望を、すべて整理してからご相談いただく必要はありません。迷っている点や、関係する方から寄せられたお声も、背景を知る大切な手がかりになります。

私自身が料理を担い、高いクオリティでお届けすることは大前提です。そのうえで、言葉になっていない期待も汲み取り、その会にふさわしい料理と提供方法を考える。

ゲストの満足が、主催者様やクライアント様への信頼につながるように。そこまでを見据えることが、私たちの仕事だと考えています。